交差汚染の恐怖!まな板が引き起こす食中毒

元々その食材には食中毒の原因菌がついていなかったのに、交差汚染によって菌に汚染され、食中毒を引き起こす可能性があります。
交差汚染は、簡単な工夫で防ぐことができます。
1.交差汚染とは?
交差汚染とは何ですか?
交差汚染とは、食中毒の原因菌で汚れた手や調理器具が食材に触れることによって、食材に菌が付着することを言います。HACCPというよりは、一般衛生管理での管理になります。
例えば、トイレの後に正しく手を洗っていなかった従業員が、その手で野菜サラダを作る。あるいは、生肉や生魚を触った後に、生野菜などを調理するなどです。
これらは、汚染された手が他の食材を触ることで、菌をつけてしまっているケースです。
また、手だけではなく、包丁、まな板などの調理器具によっても交差汚染が起こります。
さらに、冷蔵庫内でも、交差汚染の危険があります。
それは、食材の置く位置に関係します。
肉類、魚類と冷蔵庫自体を分けているのなら問題ありませんが、肉の下に野菜は、交差汚染の危険です。
なぜかというと、万一、肉のドリップがが下に垂れてしまったら、下の野菜が汚染されてしまうからです。
手が触れる、調理器具が触れる、食材同士が触れる、こうしたことで元々菌がなかった食材に菌がついてしまうことを交差汚染と言います。
2.交差汚染の恐ろしさは、生のまま提供する食材に触れること
食中毒の原因菌によっては、十分な加熱によって死滅するものも多々あります。
例えば、鶏肉にカンピロバクターがついていたとしても、中まで十分に加熱すれば、食中毒の危険はありません。
ところが、交差汚染の恐ろしい点は、野菜サラダなど、生で提供する食材に菌がついてしまうことです。
そうなると、加熱殺菌をしないまま、お客さんの口に入ってしまう、ことになります。
食中毒の危険が高くなることは明かです。
3.簡単な工夫で交差汚染を防ぐ
どうやったら交差汚染を防げますか?
冷蔵庫内での交差汚染を防ぐためには、とにかく置く順番にに気をつけることです。
上に野菜、下に肉を置けば、万一ドリップが垂れたとしても、上の段の野菜にかかることはありません。
液や汁が垂れて、下の食材を汚染する可能性があるものは、とにかく下段に入れるようにしましょう。
新たな冷蔵庫を買わないといけないわけでなく、置き方を工夫するだけで、交差汚染は簡単に予防することができます。
調理器具に関しては、可能な限り、肉用、魚用、野菜用と分けておくのがベストです。
少なくとも、菌が繁殖しやすいまな板においては、色別に分けておくと効果的です。
色によって肉、魚、野菜と決めておけば、それぞれのスタッフに指示もしやすく、作業中の交差汚染の危険も軽減されます。
HACCP導入を行った個人経営の居酒屋でも、HACCP導入前に、交差汚染防止として、色別のまな板を導入しました。
小さなお店であっても、簡単に取り入れ、そして防ぐことができるのが、交差汚染です。
4.まとめ
HACCPの基礎となる一般衛生管理。その中でも交差汚染の危険は、かなりの重要度を占めています。
交差汚染で、生で食べる食材に菌がついてしまったら、食中毒の危険が高まります。
交差汚染は、簡単な工夫で防ぐことができます。
食中毒からお店を守るためにも、交差汚染を防ぎましょう。