すっきり分かる!HACCPの基本~定義編~

食品衛生法の改正によって制度化されたHACCP。 HACCPの読み方さえ知らない、という方でも、一からHACCPが分かるように簡単に解説します。 これを読めば、簡単にHACCPの知識が習得できます。 まずはHACCPがどうやってできたのか、から始めます。

1.HACCPはどこからやってきたか

時は1960年代のアポロ計画に遡ります。NASAが人類を宇宙へ送る計画をするわけですが、その際に必ず必要になる物がありました。

それは、人間には欠かせない食料です。
つまり、アポロ計画とともに宇宙食の開発が行われたのですが、宇宙食そのものだけでなく、宇宙食を作るための衛生管理も開発されました。

当たり前ですが、宇宙には病院がありません。さらに、トイレ問題もあります。無重力の宇宙では、地上と同じようにはいきません。だから、絶対に食中毒が起こらない仕組みが必要でした。

そうやってNASAが開発した衛生管理の仕組みが、HACCP(ハサップ)です。

HACCPは、実はかなり昔からあったものなんです。

その後、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)の合同機関である食品規格(コーデックス)委員会からHACCPを含めた衛生管理について発表され、欧米を中心に採用され、国際的に認められてきました。

HACCPは、紛れもなく国際的に認められた衛生管理方法なのです。

2.HACCPの定義

アメリカで開発されたこともあって、HACCPは英語です。

HACCPの正式名称は、Hazard Analysis Critical Control Point(ハザード アナラシス アンド クリティカル コントロール ポイント)と言います。
英語でも略してHACCP(ハサップあるいはハセップ)と言われています。

日本語に直訳をすると、危害要因分析と重要管理点です。直訳をすると何をするのかがよく分かります。

HACCPの定義は、名前に尽きるのですが、正式なものとしては、コーデックス委員会から発表されたものが世界で使われています。

コーデックス委員会から発表された『食品衛生基本テキスト』の中にHACCPの記述があります。原文は英語ですが、日本語訳の本もありますので、興味のある方は、ぜひ一度見てみて下さい。

コーデックスのHACCPに関する記述は、HACCPの基本的な流れなどが書かれていますが、実のところそこまで詳しく書かれていません。
大まかなHACCPの流れとチェックすべき項目が書かれてあります。

でも、実際にHACCPに取り組もうと思ったら、細かいチェック項目がでてきます。
その項目は、HACCPを導入する会社なりお店なりで違ってくるため、コーデックスはHACCPの基本のみが記されています。

3.一般衛生管理とHACCPの違い

具体的にHACCPの中身に入る前に、まず、知っておかなければならないことがあります。

一般衛生管理とHACCPの違いです。HACCPの計画を立てる際には、この一般衛生管理で管理をするのか、HACCPで管理をするのか、を仕分ける必要があるからです。

一般衛生管理とは、食品製造業や飲食店、スーパーや旅館や介護施設など、食品を扱う業者であれば、必ずやっている衛生管理です。

掃除、従業員の手洗い、調理器具の洗浄、消毒、仕入れた食品のチェックなどです。それらは当たり前にやっていることですが、その衛生管理はHACCPの重要な土台となります。

この一般衛生管理がきちんとできていない状態でHACCPを導入してしまうと、調理工程のあらゆるところで管理をしなければならなくなり、HACCP本来の効果が全く発揮できません。

一般衛生管理をきちんとやることによって、HACCPは効果を発揮します。

法改正がされる前は、日本では、一般衛生管理ができていれば十分でした。
もちろん、一般衛生管理だけでも十分食中毒は防げます。

しかし、それだけでは足りません。

なかなか減少しない食中毒を何としても減少させたい、そんな思いがあるのでしょう。
法改正によってHACCPが制度化されました。

一般衛生管理を土台として、さらにHACCPで食中毒を予防する仕組みができたというわけです。

4.従来の衛生管理方式とHACCPの違い

食品工場などでは、一般衛生管理の他に、製造ライン上での抜き取り検査を行うところがあります。これは、一見、HACCPに似たものだと思われがちですが、実は全く違う管理方法です。

抜き取り検査によって、何らかの異常を発見した場合には、出荷の停止、製品の回収などを行います。
しかし、抜き取り品は異常がなくても、抜き取られなかった品に異常がない、とは言い切れません。たまたま抜き取り品に異常がなかっただけで、抜き取られなかったものには異物がはいっているかもしれません。

そうした抜き取り検査の穴を解決するのがHACCPです。

HACCPは工程に対して食中毒の危険となるものをリストアップし、それらを管理するようにします。いわば、作る工程自体を管理するため、抜き取りのようにどれが一つだけが対象ではなく、すべてが管理の対象となるわけです。

もちろん、抜き取り検査も食中毒の予防には有効です。抜き取った後、細菌検査など詳しい検査をする際にも役立ちます。

HACCPは従来の抜き取り検査とは違った考えに立った衛生管理です。
従来の衛生管理方法との違いを知っておくことで、HACCPへの理解がより深くなります。

5.まとめ

あの有名なアポロ計画から始まったHACCPは、今や国際的に認められ、世界で優れた衛生管理の方法として利用されています。

HACCPは、これまでの一般衛生管理や従来の抜き取り検査だけでは不足する部分を補い、食中毒を予防してくれます。

HACCPに関するセミナー講師・HACCP導入のコンサルティングも行っております。

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