自分でできる!飲食店向けHACCPのやり方~計画編~

HACCPは難しい? 専門家に頼まないとできない?
そんなことはありません。
HACCPは誰もが取り組める仕組みです。
小規模な飲食店でも自分でできるHACCPのやり方をご紹介します。

今回は、実際にHACCP計画に入ります。

準備編をご覧になっていない方は、まずは準備編をご覧下さい。

1.飲食店のHACCP計画とは?

1.1HACCPの基本と飲食店

HACCPの基本は、7原則に準備段階の5つの手順を加えた12手順と言われています。しかし、この基本については、食品製造業を想定して作られたもので、それをそのまま飲食店に当てはめようとすると、とんでもなく大変な作業になります。
飲食店は、食品製造業と違って、多種類の調理方法や料理を取り扱っていて、メニューも多く、その一つ一つにHACCPの12手順を導入するとなると気が遠くなりそうです。

そこで、飲食店のHACCPでは、調理工程において食中毒のリスクをリストアップして、特に管理が必要な工程について管理する、というHACCPの大原則を応用します。

1.2業界団体が作成した書式

HACCPが制度化されることに伴って、厚生労働省が働きかけをし、様々な業界団体がHACCP計画のための書式作りをしています。

飲食店業界では、多くの飲食店が加盟する公益社団法人日本食品衛生協会が作成した書式があります。
http://www.n-shokuei.jp/eisei/haccp_e.html

これら公開されている書式は、項目に従って記入するとHACCP計画が完成するようにできていて、誰にでも作成可能な書式です。

HACCP自体は、決まりきった書式がないため、各業界団体が、それぞれの業界に応じて作成しています。
もちろん、自分が分かりやすいように一から自作した書式でも構いません。あるいは、自分が使いやすいように既存の書式を編集する、といったことも可能です。
ただし、HACCPの考え方に基づく内容を記載する必要があります。

2.一般衛生管理計画を立てる

1.1一般衛生管理とは?

現在のところ、セミナー等でよく使用されている益社団法人日本食品衛生協会の書式を使って説明します。

まずは、一般衛生管理計画について記入します。書式を見ていただくと分かりますが、実際の調理とは関係なく、お店全体の衛生管理の問題です。
いわゆる、開業時に保健所にチェックされた事項ということです。

この一般衛生管理は、調理工程で食中毒を防ぐHACCPの土台となるもので、これができていないために、食中毒が発生する危険性もあります。

1.2各項目について記入する

普段当たり前にやっていることであっても、書式の項目に従ってチェックすると、実は出来ていなかったという発見もあります。項目に従って、しっかり計画しましょう。

HACCP計画では、原材料の搬入時にどういったチェックをするか、問題があった場合はどうするかなどを書面に起こしていく作業になります。
店長一人が分かっていて当たり前にやっているかもしれませんが、それをHACCP計画で文書化することによって、他のスタッフに教える際にも明確な基準として示すことができます。

トイレの洗浄、従業員の手洗いなど、一般衛生管理は当たり前にやっていることですが、HACCP計画では、それをあえて文書化する必要があります。

これは、HACCP最大のメリットで、文書化し、見える化することによって、店長一人の頭の中に入っていたものが、共有されます。
さらに入れ替わりやすいアルバイトスタッフの指導などにも活用することができます。

当たり前だから、ではなく、当たり前を文書化するというHACCPの一歩をここで行います。

3.調理工程における重要管理計画

1.1料理の分類

この計画が、HACCP本来の計画と言っても過言ではないでしょう。

HACCPは調理工程において、最も食中毒のリスクが高い部分を重要管理点として、そこを管理するしくみを作るものです。

食品製造業においては、製造ライン毎に作成するところですが、生ものから加熱、保温したものまで、多種多様なメニューを提供する飲食業では、メニュー毎に分けるのは至難の業です。

そこで、飲食業においては、まずは、メニューを種類別に大きく3つに仕分けるところから始めます。

第1グループ 非加熱のもの
第2グループ 加熱するもの
第3グループ 加熱後冷却するもの

これら3つに分けた後、第2、第3グループはさらに二つずつに分類します。

第2グループ 加熱するもの のうち、熱いまますぐに提供するもの
第2グループ 加熱するもの のうち、高温で保管した後、提供するもの
第3グループ 加熱後冷却するもの のうち、再度加熱して提供するもの
第3グループ 加熱後冷却するもの のうち、冷却したまま提供するもの

第1グループ、第2グループについては、生野菜サラダや刺身など生で提供するもの、第2グループの加熱し、そのまま提供する物としては、焼き物、揚げ物などが該当します。

第2グループの高温保管した後提供、というのは、ご飯がその例となります。
炊いておいて炊飯器で高温保管しておき、注文が入ったら提供するためです。とはいえ、お店の調理の仕方によっては、ご飯のように先に作っておき、高温保管しておいて、注文後提供という場合も、ご飯と同じグループに属します。

同じ料理であって、飲食店によって作り方や管理の仕方はそれぞれです。
それぞれの飲食店の調理法にあった分類をすることが必要です。

1.2食中毒を防ぐチェック方法

分類後は、さらにその調理にあたってのチェック方法を決めます。

例えば、鶏の唐揚げなどは、中まで十分に火が通っていなければ、サルモネラ菌を原因とする食中毒になる危険性があります。
そこで、中まで十分に火が通っているかの確認として、加熱温度、時間をチェックする、切ってみる、金串を通す、温度計があるのであれば、内部の温度を測る、など、そのお店にあったチェック方法を決めます。

料理をすべて分類した後、各調理工程ごとのチェック方法を決めます。

この時、調理を失敗してしまった時の対処法(廃棄する、再加熱するなど)も記入しておくことで、従業員との共有事項になり、作業がよりスムーズになります。

書式の通りに記入していけば、自分で書ける内容ですが、メニューが多かったり、様々な調理工程の料理であったりすると、その一つ一つを仕分けるのは大変な作業です。
HACCPは文書にし、見える化するのが特徴ですが、書式への記入が大変な場合は、専門家のサポートも得ることができます。

4.まとめ

飲食店のHACCP計画は、書式に沿ってやれば、誰も簡単にできるものです。ただし、普段、当たり前にやりすぎて気づかなかったり、実はチェックし忘れていたりといったことがあります。

文書化して見える化することで、それまで習慣的にやっていた当たり前のことでも、見直すことができます。
書式をうまく活用して自分のお店なりのHACCP計画を立ててみましょう。

計画作成に困った場合は、サポートも受けられます。
サポート詳細はこちら。

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